カタカナ語の氾濫8.1kb
 
●計画    94%
 スキーム       2
●合意     87%
 コンセンサス    7
●必要性     63%
 ニーズ       24
●展望      61%
 ビジョン     25
●危険性    56%
 リスク       28
 催し      33%
●イベント    51
 利点      31%
●メリット 54
●印は多い数字
 最近は新聞・雑誌・テレビ・ラジオで、カタカナ語を見たり、聞いたりすることが多い。パソコンなどの専門語として使われているのはさておき、一般的な社会用語とくに福祉・医療などの分野では、わかりにくく困ったことである。例えば「インフォームド・コンセプト」「バリアフリー」。前者は加療解説と患者同意、後者は高齢者や障害者に配慮して、建築設計に段差や仕切りうをなくすなど、障壁のない意。むずかしいであろうが、適切な日本語が欲しいものである。

 〈カセット効果〉ということがいわれている。カセットは普通カセット・テープが考えられるが、もとは宝石などを入れる小さな箱、宝石箱である。つまり、外国語や外来語をカタカナで表記することで、ことばを中の見えない宝石箱に入れて、明確な概念や意味よりも、なにか有り難そうにムード化して示す効果を意味しているという。

 左の表で、日本語とカタカナ語のどちらが理解しやすいかを示した(99年文化庁)。

 日常見慣れているカタカナ語であるが、日本語に比べてその浸透度はまだまだである。

 98年10月、大田区役所の東側に大きなビルが誕生した。入口の左側に、建物の名称を示す看板が3枚設けられている。1枚目には「アロマ・スクエア ニッセイ・アロマ・スクエア/アロマ・プラザ/アプリコ」と英語で記されている。中央の2枚目に〈ガイド・マップ〉として、やっとそれぞれの名称がカタカナで示してある。誰に読ませるのであろうか。外国にいるような錯角を覚える。

 ちなみに「アプリコ」とは、〈アート・プリィズム・イン・ザ・シティー・オブ・オオタ〉という英語の頭文字を採った造語で、さまざまな文化・芸術がプリズムを通して多彩に花開き、発信していく「活動の拠点」を意味するという。ああ?!

 ふと、後ろの看板を見て、ほっとした。『居酒屋 甚平』まぎれもなく日本語である。